水澤都加佐の特別エッセイ

こんにちは。水澤都加佐です。
日本では暮れに大掃除をしますね。
アメリカでは、春を迎えるにあたって家中の掃除や模様替えをすることも多いようです。
たまには心の中も、大掃除をしてみませんか?

1.問題が多すぎる!?

アダルトチルドレン(AC)にとって「課題」とされることは、たくさんあります。

自分と他人との間に健康な境界を作る。
イヤなことにノーと言う。
自分の怒りを上手に扱う。
自己肯定感を育てる。
休んだり楽しむなど、自分のための時間をつくる。

……などなど。

これができない、あれもまだできていない、と考えていると、問題だらけでうんざりしてきます。
そんなとき、「できないこと」をあげつらうよりも、自分をじゃましているものが何なのかに気づくことが大切です。

たとえばノーと言うことが難しいとしたら――
断わるのは相手を拒絶することだと思っていませんか?
相手に嫌われるのではと不安ですか?
期待にはすべて応えるべきだと信じているのでは?
周囲の都合より自分の気持ちを優先するのはわがままだと思っていませんか?

2.心の「住み心地」をよくしよう

ちょっと想像してみてください。
あなたが住んでいる部屋をもっと暮らしやすくするために、模様替えしようと思いついたとします。
ところが部屋の隅には、何ヵ月も前の新聞がたくさんたまっています。これを、どうしますか?
冷蔵庫を開けたら、ひからびたニンジンが出てきました。どうしますか?
あちこち気になって見ていくうちに、ガスレンジの向こうから、ずっと前になくした大切な指輪が出てきました。どうしますか?

あなたをじゃましている古いメッセージ、それが、ひからびたニンジンです。
捨ててしまったほうがいいのに、気づかずそのまま冷蔵庫にしまってあったのです。

あるいは、たまった古い新聞が部屋を使いにくくしているのに、なんとなく捨てないまま来てしまったのかもしれません。

たくさんの課題を前に動きがとれなくなっているということは、こういう状態です。
だから、なくした大切な指輪も埃をかぶって出てこなかったのです。

心の大掃除をして、ひからびたニンジンと、大切な指輪とを、見分けていく時間が必要です。いらないものは思い切って捨て、大切なものは埃をはらって磨くのです。

●ひからびたニンジンの例

いつも完ぺきでなければダメ/すべての人から好かれなければいけない/怒りを感じるのはいけないこと/人は信用できない/私は誰からも愛されない/遊んだり休みをとるのはいけないこと/失敗を認めるのは負けたことになる/私の感じていることに価値はない/物事は正しいか間違っているかで、その中間はない/私はいつだって物事を満足にできたためしがない などなど

●大切な指輪の例

誰かにちょっとしたことで「ありがとう」と言われた/初めて自転車に乗れた日/映画や音楽に感動した/お父さんとボール投げをした思い出/ふっと楽になれた、誰かのひとこと/友だちと笑い転げたこと/夕焼けがきれいだった日/お母さんと手をつないだこと/とっておきの料理が完成した日/誰かの話に涙を流したこと/思い切って気持ちを伝えた日/とてもかなわないと思っていた人の、案外おっちょこちょいな面を知ったこと などなど
いらないものでいっぱいになっていると、大切なものに気づけません。

この二つを見分けるには、援助者の手を借りたり、回復のためのさまざまな場に出かけたり、自助グループで自分を語ることが役立ちます。

3.「今までよくやってきたね!」

何かが「うまくできない」という壁につきあたるのは、心の大掃除をしてより快適に過ごせるようになるチャンスです。

でも、忘れずに。

こんなに暮らしにくい部屋なのに、あなたは今までどうにかこうにかやりくりして、ここまでやってきたのです。
そのために、怒りにまかせて行動したこともあったかもしれない。
これ以上傷つくまいと、心を閉ざしてこもったこともあるかもしれない。
空しさを埋めようとして何かにすがったかもしれない。

そんな自分に、声をかけてあげてください。
「ずいぶん大変な中を生きてきたね」「私なりに、精いっぱいやってきたよね」と。

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