アダルトチルドレンーー回復の4ステップ
アダルトチルドレン(AC)概念の生みの親であるクラウディア・ブラックは、ACの回復プロセスを次のような4段階で説明しています。
ステップ1=過去の喪失を探る
過去を繰り返し語ることで、子ども時代の家族の中にあった問題や、自分の中での喪失に気づき、かかえていた感情を解放する。
これは親を責めることとは違い、あくまで自分自身のための作業。
自助グループや治療の場を活用する、信頼できる相手に話を聞いてもらうなど、安全で自分を受け入れてもらえる場で行なうことが必要。
ステップ2=過去と現在をつなげる
過去の痛みが、現在の自分にどう影響しているかを調べる。
感情レベルではなく冷静に自分を振り返る作業。
自分の過去は、現在の自己イメージにどう影響している?
人間関係にどう影響している?
職場での私・親としての私にどう影響している?・・・など。
こうして、自分の中にある課題に気づく。
ステップ3=取りこんだ信念に挑む
過去に取りこんだ「私は○○だ」「○○すべき」「○○であるべき」といった考え方やルールのうち、自分を苦しめているものを手放す。
そして、別の考え方やルールに置き換える作業をする。
たとえば
「他人の要求になるべく応えるべきだ」→「私はイエス、ノーを自分で決めていい」
「マイナスの感情をもつのはよくない」→「感情は自然にわいてくるもので、いい・悪いはない。すべて自分に大切なことを伝えている」
のように。
ステップ4=新しいスキルを学ぶ
別の考え方やルールのもとで生きていかれるように、これまで学ぶ機会がなかったスキルを学び、練習しながら身につけていく。
たとえば、人間関係の方法、感情の扱い方、自分を大切にする行動、つらさに対処する方法、遊ぶことや楽しむこと、ノーを言うこと、他人からの言葉の攻撃をまともに受けない方法・・・など。
ステップ1~2は治療の場や自助グループで行なうこともできますし、本を読んだりノードに書きだして取り組む人もいます。
多くの人にとって難しいのは、ステップ3以降に進むこと。
これまで長年続けてきた生き方のパターンを点検し、変えていく必要があるからです。
アスクでは通信セミナー「私を生きるスキル」で、ACや共依存の課題を抱える人がもっと楽に生きるための、さまざまなライフスキルを扱っています。
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